• ローカル5Gの活用の可能性と課題とは?

    Posted on 11月 19th, 2021 admin No comments

    “2020年に商用サービスがスタートした、第5世代のモバイル通信規格である5G。5Gはスマートフォンなど従来のコミュニケーション用途だけではなく、さらなる大きな可能性を秘めています。特に5Gは企業ビジネスでの活用に期待されています。ここでは企業ビジネスにおける5Gの活用についてまとめてみましょう。
    【企業の5G活用で注目されるローカル5G】
    5Gは最大で20Gbpsもの通信速度を実現する高速大容量通信です。それだけではなく、ネットワークの遅延が1ミリ秒以下という超低遅延や、1㎢内で100万個のデバイスを同時にネットワークに接続できる多数同時接続などの特徴があります。
    企業の5G活用が期待されているわけですが、その中で特に注目されているのが「ローカル5G」です。これは大手キャリアの携帯電話会社が全国に敷設するパブリック5Gとは違って、限られた特定の場所だけで利用できる5Gネットワークを独自に構築・運用できる自営の無線ネットワークの一種になります。ローカル5Gに参入する企業は急増しており、NTT東日本、オプテージなどの通信事業者、富士通やNECなどの通信機器ベンター、京セラ、SHARPなどの端末メーカーなど、幅広い分野の企業が参入しています。
    【ローカル5G活用の可能性】
    ではローカル5Gは、どのような活用が期待されているのでしょうか?ここではローカル5G活用の可能性についてまとめてみましょう。
    <スマート工場への活用>
    スマート工場とはIoTやAIを導入した工場のこと。スマートファクトリーとも呼ばれるスマート工場では、様々な機器とインターネットをつなげて生産性を高めるため、ネットワーク通信が必須です。ローカル5Gを使用することで、通信速度は格段に速くなり、リアルタイムでのやり取りが可能になるでしょう。その結果として、生産性の向上につながります。
    <映像配信>
    ローカル5Gは多数のユーザーと同時接続が可能です。また高速・遅延が少ないという特徴もあります。そのため、スポーツ、音楽、スタジアムなどでのリアルタイムの映像配信に活用が期待されています。
    <VR・AR>
    VRやARなどの技術は、テーマパークや観光施設などで広く活用されています。このVR・ARなどの技術にもローカル5Gは利用できるのです。VRアトラクションへの活用によって、実体験に近いリアルな体験を提供できるようになります。
    <遠隔操作・監視>
    ローカル5Gは、基地局がない場所でも通信ができます。災害時に人が行くには危険な場所、作業ができない場所などでも、機械をローカル5Gの通信でつなぐことで遠隔操作ができるでしょう。また、建築現場での遠隔施工、河川の遠隔監視などの活用にもローカル5Gは期待されています。
    【ローカル5Gの課題とは?】
    ローカル5Gは大きな期待がされていますが、その一方で課題もあります。特に大きな課題となっているのが、ネットワークを構築するための通信機器設備が高額であるということです。企業が構築するローカル5Gのネットワークは、携帯電話会社が構築するパブリック5Gネットワークと比べると小規模になります。しかし5Gネットワーク構築に必要な機器は、携帯電話会社を対象としたものがほとんどです。そのため、ローカル5G向けには、オーバースペックであり、高額な機器がほとんど。ニーズにマッチした機器が少ないという実情があります。
    そのため、ローカル5Gの利用を今後さらに拡大するためには、ローカル5Gの規模にあった、小規模&低価格な機器の開発・提供が求められています。そのような声を受けて、ローカル5Gに合った機器、ソリューションの開発、調達に力を入れている企業が増えています。